こんな感覚、ありませんか?
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前屈が日によって安定しない
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昨日はできたのに、今日は崩れる
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「安定しよう」とするほど身体が固まる
それは、あなたの身体が弱いからではありません。
「安定の定義」を誤解したまま使っているだけです。
今週の結論【最初に確認】
安定とは、現状を保つことではありません。
変化しても、揺れても、
自分で“戻ってこられる場所”を持っている身体のことです。
よくある誤解と、今日の再定義【保存用】
| よくある誤解 | 今日の再定義 |
|---|---|
| 安定=動かないこと | 安定=変化に合わせて戻れること |
| 揺れ=失敗 | 揺れ=洗練への気づき |
| 補助ありでの安定=未熟 | 補助ありでの安定=安定への入り口 |
| 支えさえあれば安心 | 内側の調整力を高めて支えなしを目指す |
※ ここは 実践中に必ず立ち返る場所 です。
「現状維持」は、身体では成立しない
エスカレーターに後ろ向きで乗っていると想像してください。
何もしなければ、
静かに後退していきます。
同じ位置にいるには、
前に歩き続ける必要があります。
身体も同じです。
科学的に見ても
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筋力・筋量は、数日〜数週間の不活動で低下
(Marusic et al., 2021) -
柔軟性も、中断すれば元に戻ることがある
(Nakamura et al., 2021) -
ストレス下では呼吸数が上がりやすい
(Tipton et al., 2017)
「今の状態」は、
常に変わり続ける前提で成り立っています。
だから安定とは、
止まることではなく
微調整し続けられる能力です。
安定とは「補助が要らなくなる」ことではない

ハトのポーズで
お尻にブランケットを敷く。
これは、とても良い選択です。
大切なのは、
ブランケットを逃げ道にしないこと。
補助の正しい役割
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基盤の安定感を“感じさせる”
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呼吸の余白を取り戻す
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身体全体のつながりを思い出させる
ブランケットがあるからできた感覚を、
なくても再現できるようにする。
これが「戻れる身体」です。
コルセット的な安定と、本当の安定
コルセットは、
外側から身体を固定します。
それは一時的な安心ですが、
内側の調整力を育てるものではありません。
研究でも、
外的サポートが強いと一部筋活動が低下する可能性が示されています
(Ludvig et al., 2019)。
外した瞬間に不安が出るなら、
それはまだ「借り物の安定」。
本当の安定は、
外側がなくても戻ってこられること。
チャレンジは、安定を壊さない
例えば、肘つきプランク。
安定してきたら、
片手・片脚を浮かせてみてください。
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骨盤が傾く
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脇が抜ける
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呼吸が止まる
これは失敗ではありません。
「まだ磨ける場所」が見えただけ。
再び通常のプランクに戻ると、
以前より安定している。
揺らしたからこそ、
芯が洗練されるのです。
安定の本質は「調整し続けられること」
冬は特に、
身体の調子が日替わりです。
だから必要なのは、
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がんばり続ける安定
ではなく -
揺れても戻れる芯 × 編集できる余白
新・感覚転移ワーク【保存版】
このワークの目的
形が変わっても再現できる安定を育てる。
① ワニのポーズ変形

目的:大腿骨頭を“中心へ戻す”感覚、大腿骨と坐骨の位置関係を把握する感覚をつかむ
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仰向けでワニのツイスト
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上側の大転子に意識
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大腿骨頭を奥へ「吸い込む」
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軽く内旋+内転
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坐骨の向きの変化を観察
起きる変化
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お尻が突っ張るのではなく柔らかく伸びる
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股関節が迷わなくなる
② ベルトワーク

目的:①でつかんだ関係性をハムストリングへ転移
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ベルトで脚を持ち上げる
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大転子を寄せる
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坐骨を落とす
サイン
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骨の動きが主役になる
- 楽に動くため、伸び感はむしろ少なくなる
③ 前屈バリエーション

以下から2〜3種:
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片脚前屈
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シコ前屈
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開脚前屈
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ブロック前後開脚
共通チェック
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大腿骨は中心へ戻っているか
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坐骨の方向を編集できているか
実践中チェックリスト【必ず確認】
□ 形を深めようとしていない
□ 大腿骨が外へ逃げていない
□ 坐骨の向きが途中で崩れていない
□ 呼吸が浅く止まっていない
□ 「戻れる感覚」が残っている
※ 1つでも×があれば、ワニに戻る。
ワーク後に起きる静かな変化
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前屈が「伸ばす」から「整う」へ
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股関節の迷いが減る
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どのポーズでも基本が揺れない
動画で動きを洗練【YouTube動画】
👉YouTube動画|安定とは“現状維持”ではない|前屈から知る本当の安定|安定の誤解④
目次
00:00|オープニング
00:07|「現状維持=安定」ではないことについて
02:04|基本感覚(股関節をはめる感覚・大腿骨と坐骨の位置関係)をつかもう
04:42|基本感覚を応用して開脚や前後開脚もやってみよう
11:16|まとめ
練習のヒントとなる言葉
安定は、止まることじゃない。
変化しても、
静かに戻ってこられること。
戻る場所としての基本を育てることが練習。
基本があれば、型破りもOK。
基本がなければ、ただの形なし。
あなたへの問い
今日、
「安定しよう」として
固めていた場所はどこでしたか?
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まとめ
安定は、
守るものではありません。
育てて、編集し続けるものです。
今日つかんだ
「戻れる場所」を、
あなたの身体の中に
そっと残しておいてください。