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骨盤が立たないのは“胸”のせい?──腰ではなく胸から動かすと自然に整うヨガの3ステップ

 
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芹澤 宏治(せりざわ こうじ)
前職では、ストレッチのパーソナルトレーナーとして10年間でのべ30000人以上の指導を経験。 ヨガに出会い、ストレッチだけでは改善しなかった身体の硬さを解決する方法(身体の使い方)に気付き、ヨガインストラクターとなる。 身体の硬い人の為のヨガインストラクターとして、のべ10000以上のパーソナルレッスンを経験。 身体の硬い人だけでなく、ヨガインストラクターやプロのダンサー、プロボクサーなどへの指導も行っている。 メディアやセミナーなどスタジオ外での活動も通じて、解剖学に基づく理論と身体感覚の両面から身体の使い方を伝える活動をしている。 著書の「夢の360°開脚を叶える本」は発行部数6万部を越える人気となった。

骨盤を立てようとすると腰が反る──その悩み、実は「胸の使い方」に原因があるかもしれません。

本記事では、骨盤を無理なく立てるための“動線づくり”を3つの練習で解説します。

よくある悩み:「骨盤を立てると腰が反ってしまう」

ヨガやストレッチの指導で「骨盤を立てましょう」と言われたとき、
– 腰が反る
– 背中が詰まる
– 息がしづらくなる
そんな経験をしたことはありませんか?
この違和感、実は「骨盤だけを動かそうとしている」ことが原因かもしれません。

 

本記事では、「胸から骨盤へ動きを伝える」ことで自然に整う感覚と、その練習法を3ステップでご紹介します。

骨盤は「腰だけ」で動かせない──反り腰になる本当の原因

骨盤は、単独で自由に動かせるパーツではありません。
上半身(特に胸椎・肩甲骨)との連動があって初めて自然に整います。
身体は「点」ではなく「線」でつながっているからです。

竹や釣竿のように、長さのある構造物は“上からしなる”ことで下部も動きます。
逆に、部分だけで動かそうとすると、無理がかかって折れやすくなる。
これは、骨盤にも同じことが言えます。

解剖学的にも、骨盤は「大腰筋・腸腰筋・広背筋」など複数の連動筋群に支えられており、孤立して操作することはできません。

骨盤を動かすには胸からの動きが重要

骨盤を「立てよう」とする代わりに、「胸から骨盤へと動きを伝える」と考えてみてください。
この意識ひとつで、
・背中の緊張が抜ける
・呼吸が通る
・骨盤が自然に立ちやすくなる
という変化が起こります。

なぜ「胸」からなのか?
それは、胸を動かすには肩甲骨がゆるんでいる必要があるからです。
胸を動かそうとすることで、自然と「肩甲骨をゆるめる」ことが起こります。そうすることで、背中がつながり、胸の前方への動きが骨盤へ届きます。

実践ワーク①:椅子で「胸から骨盤」

→ 背中の詰まりを解放し、骨盤が“座りやすくなる”感覚をつかむ

  1. 椅子に深く座る
  2. まず「腰だけ」で骨盤を立ててみる → 背中が詰まり、反る感覚を確認
  3. 次に肩甲骨を落とし、胸から前へ動きを送る → 骨盤が自然に立ちやすくなる

※重心は坐骨ではなく、太ももの真ん中あたりに置くと安定しやすい

▶ 実践ワーク①~③の動きはYouTube動画でも実演しています:▶ 再生する

実践ワーク②:伸びたネコのポーズ × 胸と太もも裏

→胸と肩甲骨をゆるめながら、「胸→骨盤」の動線を体感する練習

四つ這いから、手を前に伸ばし「伸びたネコのポーズ」へ

  1. 骨盤を前傾させようとすると、詰まって動かない
  2. 胸を床方向へ「押し出す」意識に変える
  3. 同時に、太ももの裏で見えない壁を「押す」

この2点を意識すると、詰まり感が減り、骨盤が自然に倒れやすくなります。

実践ワーク③:長座前屈で「骨盤を倒す」感覚をつかむ

→硬い人でも上手に長座前屈できるようになる

 

長座前屈で骨盤を倒そうとしてうまくいかない時…

以下の手順を試してください:

 

1,膝を少し曲げて手をおいて、太ももの裏で押す

(※丸めたタオルを入れるのもアリ、重心の位置が掴みやすくなります。)

 

2,重心を太もも裏に乗せつつ、胸から前へ伸ばしつつお尻を引いて膝を伸ばしてゆく

 

3,太ももの裏でマットを押しつつ、胸を押し出しつつ長座前屈へ

この「胸からの流れ」が先に通ることで、骨盤が倒れやすくなり、無理なく前屈が深まります。

骨盤を立てるときのよくある失敗とその対処法

Q. 骨盤を立てようとすると腰が反ってしまいます。
→ 腰ではなく、“胸と肩甲骨からつながる感覚”を使って動きを導いてみてください。

 

Q. 背中が詰まって呼吸が浅くなります。
→ 胸の前側を広げる意識を持つと、呼吸の通り道が開けてきます。

 

Q. ハムストリングスが突っ張ってしまいます。
→ 別練習でハムストリングスをゆるめてから、また骨盤を動かす練習に戻りましょう。

まとめ:”骨盤を立てる”のではなく、“骨盤が動きやすい条件を整える”

骨盤は単独で操作するものではなく、全体の動きの大きな流れの中の一部です。
ポイントは、
✅ 胸から骨盤への動線を意識すること
✅ 上半身との連動を育てること
✅ 無理に形を作ろうとせず、条件を整えること

「骨盤が立たない」のではなく、「骨盤が立つ条件がまだ整っていない」だけ。
──その視点の転換が、きっと身体の変化を導きます。

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芹澤 宏治(せりざわ こうじ)
前職では、ストレッチのパーソナルトレーナーとして10年間でのべ30000人以上の指導を経験。 ヨガに出会い、ストレッチだけでは改善しなかった身体の硬さを解決する方法(身体の使い方)に気付き、ヨガインストラクターとなる。 身体の硬い人の為のヨガインストラクターとして、のべ10000以上のパーソナルレッスンを経験。 身体の硬い人だけでなく、ヨガインストラクターやプロのダンサー、プロボクサーなどへの指導も行っている。 メディアやセミナーなどスタジオ外での活動も通じて、解剖学に基づく理論と身体感覚の両面から身体の使い方を伝える活動をしている。 著書の「夢の360°開脚を叶える本」は発行部数6万部を越える人気となった。

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