【こんな壁にぶつかっていませんか?】
・開脚はできるのに、四股は踏めない
・ブリッジはできるけど、ブリッジ歩きは1cmも進まない
・コブラのポーズで反れるようになったけど、腰痛にもなった
・柔らかいはずなのに、疲れやすい
・練習をした日は柔らかいけど、次の日は固まっている
👉 これらはすべて 「伸びる柔軟性」だけが先行して、
“動ける柔軟性”が育っていないサイン です。
柔軟性の“旧OS vs 新OS”(保存版)
──どのポーズにも共通する「動ける柔らかさ」の条件
| 項目 | 誤解(旧OS) | 正解(新OS) |
|---|---|---|
| 柔軟性とは | 伸びる量・可動域の広さ | 動ける余裕のある範囲の広さ |
| アプローチ | とにかく伸ばす/深める | 全体に力を通し、少しでいいから動かす |
| 身体の使い方 | 形に合わせにいく | 力の流れを作ってから、形を整える |
| 安定の作り方 | 固める/止まる | 動ける状態のまま “あえて止まる” |
| 力の使い方 | 筋肉で持ち上げる | 力の流れを通す・つなげる |
| 柔らかさの指標 | 反れる・開く・深まる | 進行方向に押せる/呼吸が通る/バランスが崩れない |
| 練習の目的 | ポーズの完成度を上げる | コントロールできる部位を増やし、その上で強化する |
| 結果 | 柔らかいけど使えない | 使える柔らかさ=動ける柔軟性 |
【なぜ「伸ばすだけ」では変わらないのか】
伸びる柔軟性は 材料。
動ける柔軟性は 料理。
さらに言えば、材料の中のたった一つの食材にしかすぎません。
いくら材料が良くても、火加減・順番・調和がなければ“美味しい料理”にはなりません。
柔軟性も同じ。
伸ばす量とポーズの深さが増えるほど、
実は “使われない身体” になることがあります。
【開脚はできるのに、四股が踏めない理由】

開脚=材料
四股=動きと連動のテスト
四股には、
・足裏で床反力を受けとる
・股関節の安定と脱力
・全体のバランス
・変化していく重心の位置調整
・全身で脚を引き上げる連動
これらが同時に必要。
だから、
四股が踏めると開脚は勝手に深まるけれど、
開脚が深まっても四股は踏めない。
【ブリッジができるのに、歩けない理由】

ブリッジ=形
ブリッジ歩き=方向・連動・反発
動こうとした瞬間に固まるのは、
身体が “どこへ動けばいいか” 分からなくなる から。
方向の迷子
↓
居着く
↓
反発が消える
↓
1cmも動けない
だから必要なのは、
「反る量」ではなく “1cm動こうとする意思”。
実際には動けなかったとしても、動こうとしたこと自体で課題に気づけます。
その気づいた課題にとりくむことで、ただ伸ばすだけでは気づきすらしなかった能力を身につけることができるのです。
このシリーズのラストで扱う“動けるコブラ”は、まさにその入口です。
【今日のチェックリスト】(保存推奨)
・胸椎が動いている感覚はある?
・反るより「通す」を優先できている?
・居着かず、小さく動き続けられる?
・腰だけに頼っていない?
・呼吸は止まらないまま続く?
【ステップ練習|動けるコブラの2ワーク】
▶ ワーク①:コブラで後ろを振り向く
(胸椎が動くと、腰は守られる)

やり方
1.コブラから反対側のかかとを見る
2.数呼吸キープ
3.反対側も同様
4.左右数回行う
ポイント
・首だけで回らない
・肩甲骨を後ろへ押すイメージ
・肋骨下部でねじる
▶ ワーク②:コブラで片手を上げる
(静止の安定 → “動ける安定” へ)

やり方
1.コブラに入る
2.片手を軽くバンザイ
3.左右交互に数回
※難しければスフィンクスで代用
気づけること
・居着くと腕が上がらない
・腰だけに頼っているクセ
・重心の置き場所・流れの方向
【よくあるつまずき(失敗例)】
・首だけ動かして胸椎が固まる
・腕の力で反ろうとして肩が潰れる
・呼吸が止まる
・動く瞬間に不安になり“居着く”
👉 詰まったらYouTubeの 00:15/04:31/05:10 に戻ると解決が早い。
【Q&A|よくある質問】
Q. コブラで腰が詰まる感じがします。
A. 腰ではなく胸椎が動く余白が必要です。
04:31 の振り向きコブラを必ず挟んでください。
Q. 片手を上げるとつぶれます。
A. 今は腕を上げる余裕より“負荷の方が勝っている”状態です。
まずはスフィンクスで、手を「上」ではなく 前に軽く伸ばすだけ にしましょう。
この軽減法でも、十分に 動ける安定 が育ちます。
【YouTubeで一緒に動く】
文章では伝わらない細部(方向・反発・つながり)は動画で解説しています。
👉【YouTube】【コブラのポーズが苦手な人へ】伸ばすだけでは変わらない。“動ける柔らかさ”をつくる4ワーク|柔軟性の誤解④
📍目次
00:00|オープニング
00:15|「伸びる=柔らかい」ではない話
02:11|”伸ばす柔らかさ”と”動かす柔らかさ”の違い
【コブラのポーズを通じて“動かす柔らかさ”を体験しよう『4ワーク』】
04:31|ワーク1:振りむくコブラ
05:10|ワーク2:片手をあげるコブラ
06:25|ワーク3:腕に頼らない背中の上下運動
07:33|ワーク4:バッタのゆりかご
08:45|まとめ
【練習のヒントとなる言葉】
柔軟性とは、
伸びる量ではなく、
動きの中で“通れるか”。
【まとめ|柔軟性は“動ける”ときに機能する】
・静止の柔らかさ=材料
・動ける柔らかさ=統合
・形ではなく、力の流れを見る
・開脚→四股
・ブリッジ→1cm歩き
・コブラ→動的コブラ
目的が変わると、練習が変わり、身体が変わる。
関連記事(保存マニュアルシリーズ)
あなたの“動ける柔軟性”を育てるために、今日の記事とつながる5本を並べておきます。
・📙ヨガでケガをしない柔軟性の育て方|“伸ばす”だけでは危険な理由と安全に柔らかくなる方法|柔軟性の誤解①
・📙ストレッチは「30秒で神経がゆるむ」。──硬いのは筋肉ではなく、安心感の問題です。|柔軟性の誤解②
・📙脱力は弱さじゃない──内側の支えで前屈は自然に深まる|柔軟性の誤解➂
・📗 note版|伸ばすことを目的にしない。“動ける柔らかさ”が、あなたを変える。
・📘 身体の使い方を、誤解から再教育する。──年間noteシリーズ