「力を抜く」が分からない場合
「力を抜く」が出来ればやっている
ヨガに限らず、運動の場面での代表的なアドバイスの一つに「力を抜いて」があります。
でも、多くの人は抜けるなら抜いている訳で、それが出来る人が「あっ!しまった。入っていたか」って気付かせる為のものであるならいいんですけど、抜けない人が抜けるようになるのは難しいです。
実際に、力んでいる生徒さんに 「力を抜いてください」というアドバイスは効果的だったことはほとんどないです。
ですが、こう言い方を変えると結構効果がありました。
それは、「今思っている10分の1の力でやってみてください」というアドバイスです。
はて、何故こう言うと上手くいったのでしょう??
力を抜く(脱力)というイメージをそもそも間違えている!?
脱力って力を抜くことじゃないからです。
脱力とは「なるべく弱い力でその動きを出来る様にする事」です。
例えば前屈。
脱力しようとすると、支える力を抜きます。
そうすると、上半身が重りになってしまい、下半身が引っ張られてケガをする可能性があります。
他のヨガスタジオでケガをした人の話を聞いた事があります。
インストラクターさんの指示で「力を抜いて」と言われて脱力したら。。。
太ももの裏を肉離れしてしまったそうです。
だから、「力む=力を入れる」のは良い事の場合があります。
本能的に力を入れる事でケガを避けようにしているものだからです。
その為、脱力しない様にむしろ力んで身体を支えるという事も起きてしまいます。
そうであれば、むしろ最初からキチンとした力の使い方をすればよいだけです。
「前屈という動作をなるべく弱い力でやる」と考えてみてください。
そうすると、足元は支えを作らなければいけませんね。
身体を畳む為には腹筋を使う必要があります。
足元に力を入れる事で、固まっていた足からお尻の筋肉に刺激を入れて使います。
ちょっと難しいです。
イメージは、脚をこう曲げようとする力を弱~く入れています。
でも、実際には地面があるので、脚は伸びた状態で力だけ入って地面を押す力に変換されています。
その状態から、今度は腹筋に力を入れる事で、使った足からお尻の筋肉を緩ます事がしやすくなります。
弱い力でやれば観察が楽!!
ヨガではこの一見矛盾する動きを呼吸に合わせてやる必要があるので、観察が必要になります。
動きが悪い所こそ、弱い力でやってみようとすると観察力も高まり丁寧な使い方をするので、良いですよ。
タイムを気にしたランニングだと景色を見る余裕がなくても、ゆったりとしたジョギングだと景色を楽しむことが出来ますよね。
それと同じです。
ちなみに、肩の力が抜けない人に関しては動画があるので、良かったら参考にしてください。
まとめ
繰り返しになりますが、「力を抜いてください」というアドバイスで力が抜けた事はほとんどないです。
役割は確認の意味としてだけですね。
自分の練習の時は、「今思っている10分の1の力でやってみよう」と試してみてください。
今まで気付かなかった事に沢山出会えますよ(^^)/