それでも動かない人との向き合い方|ヨガ指導12年、12,000セッションの中で見えたこと

こんにちは、顔晴るジム(がんばるジム)主宰の芹澤宏冶です。 身体が硬い人のためのパーソナルヨガを専門に、これまで約30,000件のストレッチと12,000件以上のヨガセッションを担当してきました。
今日は、そんな現場の中で何度も出会ってきた「変わりたいけど変われない人」との向き合い方についてお話しします。
目次
「やりたいんです。でも…」
レッスンの中でこんな言葉を聞いたことはありませんか?
「分かってはいるんです。でも…」
「やったほうがいいのは分かってるんです。でも…」
「昔もやったんですけど、私には無理なんです」
変わりたいと言いながら、でも実際には行動に移せない。 そんな“でもでもだってちゃん”に、僕も何度も出会ってきました。
ヨガが教えてくれた「咲ける力」
最初のころは「なぜやらないんだろう」「どうしたら動いてもらえるんだろう」と悩みました。 でもあるとき、気づいたんです。
彼らは“拒んでいる”のではなく、“守っている”のだと。
変わることが怖いんです。 それは、人が「変わる=自分じゃなくなる」と思い込んでしまいやすいから。
でも実際の変化って、
チューリップになることじゃなくて、 ヒマワリの種が、ちゃんとヒマワリとして咲くこと。
なんですよね。
「変わること」と「咲くこと」は違う
ヒマワリの種は、芽を出して、つぼみをつけて、花を咲かせる。 見た目はまったく違いますが、本質は変わっていない。
「成長」という言葉の方が、しっくりくるかもしれません。
ヨガ哲学で言えば、この“本質的な自分”を「プルシャ」と言います。 古典ヨガでは不要なものをそぎ落とし、魂そのものへ近づくプロセスが重視されます。
でもタントラの視点では、 「その魂から得たものを、社会に活かすこと」が人生の目的とされます。
僕はタントラの正式な流派に属しているわけではありませんが、 お師匠さまから学んだ範囲でいえば、
咲くことには意味がある。 それが周囲の人も自分も幸せにする。
という視点は、とても腑に落ちるものでした。
じゃあ、「でもでもだってちゃん」にはどう接すればいい?
僕が実際にやっているのは、次の5つのことです。
- 否定せず、まず理解を返す
「なるほど、そう感じるのも自然ですね」 - 小さな行動を提案する
「じゃあ今日は、ここだけ試してみましょうか」 - 比喩を使って視点を変える
OSやヒマワリなど、前提そのものを揺さぶる - あえて沈黙する
詰めずに、相手の内側から出てくる気づきを待つ - サクッと見捨てる(でも信じている)
必要なことは伝える。やるかどうかは、本人の自由。
やらないからといって、怒ったりはしません。 でも、必要以上には寄り添いません。 自分を曲げてまで迎合しない。 そのかわり、ちゃんと「咲ける力はある」と信じています。
変わらない人に、変わってほしいあなたへ
ヨガは、特別な力を与えてくれる魔法ではありません。 でも、すでに持っている力に気づいて、咲こうとする“素直さ”を育ててくれるものです。
僕たちは、ヒマワリの種を手にしながら、 「私は咲けない」と思い込んでいるのかもしれません。
でも、咲ける力は、もうその人の中にあった。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
この記事は、日々のセッションやレッスンを通して感じてきたことをまとめたものです。 普段はnoteでも発信していますが、この記事はホームページにも残しておきたいと思える、大切なテーマでした。
少しでも、指導の現場や、身近な人との関係性のヒントになれば嬉しいです。
芹澤宏冶
パーソナルヨガスタジオ「顔晴るジム(がんばるジム)」主宰
東京都目白/ヨガ指導歴12年・セッション実績12,000件以上
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